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東京名所真景之内 如月 待乳山雪の黄昏

小林清親

東京名所真景之内 如月 待乳山雪の黄昏

当初12ヶ月12図揃いのシリーズ物として企画されたと考えられるが、何らかの理由で中断したらしく、現存するのは「睦月」「如月」「弥生」の3図のみである。本図は現存するうちの「如月」で、今の浅草付近の隅田川から西岸を望んでいる。
画面左、向こう岸の木々の茂みは待乳山。山上には聖天宮が祀られ、見晴らしも良く、江戸時代から庶民に親しまれた名所であった。近景には対岸からやってきた渡し舟が大胆な構図で描かれる。やわらかな中間色を用いて、3枚続きのパノラマに静かな雪の日の光景を見事に再現している。

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