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大物之浦平家の亡霊

歌川国芳

大物之浦平家の亡霊

国芳は武者絵を最も得意とした絵師。本作品は、源頼朝と仲違いをした義経が、摂津国の湊から西国に渡ろうとするも壇ノ浦にに沈んだ平家の亡霊が現れて果たせなった、という戯曲「船弁慶」に取材している。絵では、嵐の中で大波に揺れる船を海に引き込もうとする平家の亡霊が、シルエットで描かれる。大波にはベロ藍を用い、波の向きが分かるように線は細く引かれ、湾曲したぼかし摺が施されている。背景の亡霊は輪郭線を描かず色面とぼかし摺で表現されている。

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